第二言語習得理論とは?英語習得の基本のインプット仮説についても解説!

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皆さんは「第二言語習得理論(Second Language Acquisition」という言葉を聞いたことがありますか?

初めて聞いた際には、言葉からして「難しそう」「堅苦しい」といったようなイメージを持ってしまうかもしれません。

しかしながら、この理論の中には私たち日本人が英語を習得する上でのヒントが多く存在しており、第二言語習得理論を理解することによって自分の英語に対する意識や勉強方法を見直すこともできます。

そこで、この記事では第二言語習得理論について解説するとともに、第二言語習得理論の中でも最も有名なインプット仮説についても具体例を交えながら解説します。

第二言語習得理論とは?

第二言語習得理論(Second Language Acquisition)とは、人間がどのように第二言語を学習し習得するかについて、言語学や心理学、教育学等の研究分野から生まれた理論や仮説のことです。

つまり、第二言語習得理論は特定された一つの理論ではなく、その研究分野の広さゆえに多くの研究者が提唱した様々な理論や仮説の集合体になります。

ここでいう第二言語とは、母語(第一言語)を習得したのち、その母語以外で学習して使用できるようになった言語を指します。

日本人にとって英語は外国語であり第二言語となるため、第二言語習得理論を理解することは非常に有意義であると言えます。

 【参考】ウィキペディア「第二言語習得の理論」

 (https://ja.wikipedia.org/wiki/第二言語習得の理論

インプット仮説とは?

インプット仮説(Input Hypothesis)は、第二言語の習得に関する仮説として1970〜1980年代にかけて言語学者のスティーヴン・クラッシェンによって提唱されました。

クラッシェンは第二言語習得理論において最も顕著な人物で、モニターモデルと呼ばれる第二言語の習得に関する仮説を5つ提唱したことで知られています。

そのモニターモデルの仮説のうちの1つがインプット仮説であり、これは特に教育の分野に大きな影響を与えました。

クラッシェンはインプット仮説の中で「学習者の言語知識や能力は、学習者の現在のレベルよりも少し高いレベルの言語を理解することによって向上する」と主張しました。

学習者の現在の言語レベルを「i」、それよりも少し高い言語レベルを「i+1」したとき、学習者は「i+1」を含む理解可能なインプットを繰り返すことによって言語を習得していくと結論付けられています。

では、理解可能なインプットとはどういうことなのでしょうか?

理解可能なインプットとは、学習者が自身の現在のレベルよりも少し高いレベルを含む言語を、学習者が既に持っている一般的な知識や前後の文脈などから理解して自身の中に内在化させることを意味します。

言葉だけでは少しイメージしにくいかもしれませんので、具体例を見ていきましょう。

例えば、学習者が “I play soccer.”(私はサッカーをします。)という英文を理解できる言語レベルだったとします。

ここで、もしその学習者が “I will play soccer tomorrow.”(私は明日サッカーをする予定です。)という英文に初めて出会ったとしたら一体どのように理解するでしょうか?

まず学習者は自身が理解可能なレベルの英文である “I play soccer.” と今回出会った英文とを比較します。

そうすると、今まで自身が見てきたレベルの英文にはなかった “will” という初めて見る単語があるのに気付きますが、学習者はこの単語の意味や働きを知識として持っていないためにすぐにはこの英文の意味を理解することはできません。

しかし、それと同時に文末に “tomorrow” という「明日」を意味する単語があることにも気付きます。

このとき、学習者は “will” の意味や働きは分からないとしてもそれ以外の単語は分かるため、ひとまずこの “I will play soccer tomorrow.” という英文を「私はサッカーをする、明日」という意味であると解釈します。

そして、残った “will” については文脈や “tomorrow” という単語をヒントに推測し、明日のことを話しているのだから “will” は「〜するだろう、〜する予定である」といった未来の意味を持たせる働きをする単語であると考えます。

その結果、最終的にはこの英文を「私は明日サッカーをする予定です。」という意味であると理解します。

上記の例では、学習者は自身の現在のレベル「i」に対し、初めて見る単語 “will” を含んだ自身より少し高いレベル「i+1」の英文に出会ったものの、文脈やその他の単語の意味から “will” を自分なりに推測し、結果的に「i+1」の英文を理解することができました。

このように、学習者がこれまで知識として持っていなかったことを、自身の現在のレベルよりも少し高いレベルの英文に触れて様々な情報や推測等を駆使することで理解をする、これこそがクラッシェンが主張する「i+1」を含む理解可能なインプットになります。

まとめ

今回の記事では、第二言語習得理論とインプット仮説について解説しました。

英語を勉強する日本人にとっては、第二言語習得理論のインプット仮説は特に押さえておくべきものになりますので正しく理解して頂ければと思います。

また、インプット仮説を提唱したクラッシェンは、言語の習得には学習者のモチベーションが重要であり、モチベーションが不足した状態では言語の習得は進まないとも主張しました。

なぜ英語を勉強したいと思ったのか、何のために英語を勉強するのかといった自分自身のモチベーションを大切にして英語の勉強に取り組んでいって下さいね!