英語の勉強を重ねていく中で、TOEICやTOEFLをはじめとする英語の試験を受ける機会があるかと思いますが、英語の試験を受ける目的は実際は人によって様々です。
純粋に自分の英語力を見極めるために試験を受ける人や就職活動で一つの資格として履歴書に書くために受ける人、あるいは留学に向けて英語力の証明書を提出するために受ける人もいらっしゃるでしょう。
ここで大切なのは、それぞれの目的によって受けるべき試験が異なるということです。
この記事では今現在で主要な英語の試験であるTOEIC、TOEFL、IELTS、実用英語技能検定の4つをご紹介するとともに、それぞれの試験の内容や意義について簡単に解説します。
①TOEIC
TOEIC(トーイック)は、Test of English for International Communicationの略称で、国際コミュニケーション英語力テストという意味です。
英語を母語としない人を対象とした試験で、英語によるコミュニケーション能力を評価する世界共通のテストとして開発されました。
日本国内の受験者数は年間約240万人となっています。
TOEICのテストはその形式によっていくつかの種類に分けられますが、私たちが普段TOEICと呼んでいる最も一般的なものが TOEIC Listening & Reading Testです。
TOEIC Listening & Reading Testは990点満点(配点はリスニングとリーディングがそれぞれ495点ずつ)で、リスニングではビジネスシーンの会話があったり、リーディングではビジネスメールの文面の読解問題があったりなど、若干ではありますがビジネス寄りの試験内容になっています。
スコアの目安は平均的なスコアで600点、海外へ出張したり現地で働いたりなどビジネスで英語を使用するには850点が必要と言われています。
またTOEICの意義という点では、日本では英語力を示す一つの指標としてTOEICが最も広く認知されているため、取得したTOEICのスコアは就職や転職活動において利用することができる場合が多いです。
試験内容がビジネス寄りということもあり、特に英語を使用する職業・企業ではTOEICは必須の時代になってきていますので、何度か受験をして自分のスコアを持っておくことも良いと思います。
【TOEIC 公式サイト】 https://www.iibc-global.org/toeic.html
②TOEFL
TOEFL(トーフル)は、Test of English as a Foreign Languageの略称で、外国語としての英語力テストという意味です。
TOEICと同じく英語を母語としない人々の英語コミュニケーション能力を測るテストとして開発され、一般的には英語圏の大学への留学や研究を希望する人が受験しています。
日本国内の受験者数は年間約8万人と、TOEICと比べるとかなり少ない印象です。
TOEFLには、パソコンを用いてインターネット上で受験する「TOEFL iBT(Internet Based Test)」と、一般的なマークシート方式の「TOEFL ITP(Institutional Test Program)」の2種類があります。
試験内容は、TOEFL iBTはリスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの全てがあり、TOEFL ITPはリスニングとリーディングのみとなっていますが、TOEFL iBTの方が現在では主流です。
TOEFLの試験問題の内容は歴史や科学など学術的な分野がメインになっており、大学や研究所をはじめとするアカデミックな機関が受験者の英語力を評価する手段の一つとしてTOEFLのスコアの提出を求めるケースが多く、この点がまさにTOEFLの意義と言えます。
つまり、TOEICとTOEFLの違いとしては、TOEICは就職活動や英語を使用する仕事などのビジネス向け、TOEFLは海外への留学や研究などの学術向けということになります。
【TOEFL 公式サイト】 https://www.ets.org/jp/toefl
③IELTS
IELTS(アイエルツ)は、International English Language Testing Systemの略称で、国際英語検定という意味です。
IELTSには、海外の大学への留学や進学を目的とするアカデミックモジュールと、海外への移住や就労を目的とするジェネラル・トレーニング・モジュールの2種類があります。
日本国内の受験者数は年間約4万人と少なくどちらかといえばマイナーな試験ですが、世界的には年間約300万人が受験するワールドスタンダードの試験となっています。
IELTSは試験内容がリスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの英語4技能全てにわたっているという点が特徴で、総合的な英語力が自分にどれだけあるかを確かめたいという方にはおすすめの試験です。
また、IELTSの意義としては、イギリスのビザの取得にはIELTSが必須という点があります。
イギリスへ長期滞在を目的として入国する際、就業の場合は就労ビザ、留学の場合は学生ビザがそれぞれ必要となりますが、ビザ取得のための英語力証明の書類に利用できるのはIELTSのみで、その他の試験は利用できません。
以前はTOEICやTOEFLも同様に英語力証明の書類として認められていましたが、2014年にイギリス国内でTOEICの実施を委託された団体が不正問題を起こしたことがきっかけとなり、それ以降はIELTS以外は認められなくなりました。
ちなみに、私自身はイギリスへ留学をしていましたが、留学するにあたってはIELTSを受験した後に学生ビザを申請・取得しました。
【IELTS 公式サイト】 https://www.eiken.or.jp/ielts/
④実用英語技能検定
実用英語技能検定は、公益財団法人日本英語検定協会が主催し、文部科学省が後援する英語技能の検定で、一般的には英検と呼ばれています。
受験者数は年間で約380万人と非常に多く、受験者の8〜9割は学生というのが特徴です。
中学生もしくは高校生の頃に団体受験という形で学校で英検を受けたことがあるという方も多いのではないでしょうか?(私自身は中学〜高校の6年間、毎年学校で受験していました。)
英検は検定レベルによってランクが分かれており、上から順に1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級があります。
受験者は自分のレベルに合った好きな級を選んで受験することができます。
英検の試験内容は、TOEFL iBTやIELTSと同様にリスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの英語の4技能全てです。
試験の形式も特徴的で、まずリスニング、リーディング、ライティングの筆記試験となる1次試験があり、その合格者のみがスピーキングが問われる2次試験に進むことができます。
2次試験は英語での面接委員との10分間の個人面接試験で、与えられたトピックに関するスピーチやQ&Aを行い、その応答内容や語彙、文法、発音の正確さなどによって評価がなされます。
1次試験と2次試験の両方に合格してはじめてその級に合格となるので、英語の4技能に苦手な分野を作らないことが合格への近道と言えるかもしれません。
【実用英語技能検定 公式サイト】 https://www.eiken.or.jp/eiken/
まとめ
今回の記事では様々な英語の試験について簡単にご紹介をしました。
まずは自分の目的に合った試験を選定し、それに向けて勉強を重ねることが大切です。
その上で、自身が望む結果やスコアを獲得することができれば大きな達成感が得られますし、勉強に対するモチベーションもさらに高めることができますよね。
日々の積み重ねを大切に、英語力を着実に上げられるように取り組んでいきましょう!