私たちが普段使用している日本語と世界の共通語である英語。
これら2つの言語の最大の違いはどこにあると皆さんは思いますか?
言葉の表現方法や発音、リズム、イントネーションなど違いは様々にありますが、日本語と英語の最大の違いはその文型にあります。
文型は英文法の中でも最重要項目の1つであると同時に、英語を勉強する上での難関であり、文型の違いこそが日本人が英語を理解するのを難しくさせていると言っても決して過言ではありません。
そこで、この記事では英文法の基本である文型について、文型の種類や構造、意味などを例文を交えながら解説します。
テストや受験に向けて勉強をしている学生の方にも、自身のためもしくは将来に向けて勉強をしている社会人の方にも、英語の文型を理解する手助けになればと思いますのでぜひご参考にして下さい!
文型とは?
英語の文型について解説をする前に、そもそも「文型」という言葉はどのように定義されているのかを明確にしておきたいと思います。
【文型】
文の基本的構成要素(主語・目的語・補語・動詞など)の有無や配列などに基づいて、いくつかの類型に分類した文の型。
(広辞苑 第六版)
つまり、単語の種類や語順によって文の形が決まり、その形はいくつかに分かれているということです。
文型は英語に限ったものではなく、日本語をはじめ世界中の言語に存在するものであるため、それぞれを比較しながら勉強するのも面白いかもしれませんね。
英語の文型の要素
英語の文型というと、SVOOや SVOCといったアルファベットの羅列が思い出されます。
こうした文型の種類や意味については後ほど解説しますが、皆さんはこれらのアルファベットが表す意味を正確に理解できていますでしょうか?
英語の文型においては、基本的には「S」「V」「O」「C」の4つのアルファベットを用いて表されます。
それぞれのアルファベットが表す意味は以下の通りです。
S=主語 <Subject(主語)の頭文字>
「私は〜」「それが〜」といった文の主格となる働きをするのが主語です。
人や物といった名詞・代名詞などが基本的には主語となります。
(例)I played soccer yesterday. 私は昨日サッカーをしました。
V=動詞 <Verb(動詞)の頭文字>
「〜である」「〜にいる」などの状態、あるいは「歩く」「見る」などの動作を表す働きをするのが動詞です。
日本語ではいわゆる述語にあたるものになります。
(例)She speaks English very well. 彼女は英語をとても上手に話す。
O=目的語 <Object(目的語)の頭文字>
「〜を」「〜に」など動詞が表す動作の対象となるものが目的語です。
名詞や代名詞のほか、句や節など名詞相当語句が目的語となります。
(例)I saw the movie last week. 私は先週その映画を観ました。
C=補語 <Complement(補語)の頭文字>
主語や目的語の性質・状態を説明して補う働きをするのが補語です。
基本的には名詞や形容詞などが補語となります。
(例)This book is interesting. この本はおもしろい。
以上の「S」「V」「O」「C」の4つが基本的に英語の文型を構成する要素ですが、これらに加えてもう1つできれば覚えておきたいのが修飾語の「M」です。
M=修飾語 <Modifier(修飾語)の頭文字>
文の要素である主語、動詞、目的語、補語を説明したり限定したりして、文の内容を豊かにする働きをするのが修飾語です。
名詞を修飾する形容詞的修飾語と、名詞以外を修飾する副詞的修飾語の2種類があります。
(例1)形容詞的修飾語
This is a car made in Japan. これは日本製の車です。
(made in Japan が a car を修飾している)
(例2)副詞的修飾語
Children are playing in the park. 子どもたちが公園で遊んでいる。
(in the park が are playing を修飾している)
修飾語 M の特徴として、文から取り除いてもその文の意味が通じるということがあります。
上記の(例1)の This is a car made in Japan. という文から修飾語 M である made in Japan を取り除いても、This is a car. となり意味は通じますよね。
それゆえに文型の主要な構成要素としてはみなされていませんが、文型を理解する上で大切な要素であることには変わりありませんので、ぜひ覚えておいて下さいね。
英語の基本5文型とは?
文が主語と動詞以外にどのような構成要素(目的語や補語等)を持っているか、という基準によって文の型を分類をすると、英語においては基本的に5つの型に分類することができます。
これを英語の基本5文型と呼びます。
ここからはそれぞれの文型について、種類や構造、意味などを例文を交えながら解説します。
<第1文型> S+V
第1文型は、S(主語)+ V(動詞)の形です。
英文の最も基本的な形で、文の意味としては「 S が~する」となります。
(例)I sing. 私は歌います。
Years passed. 年月が経った。
The sun is shining brightly. 太陽がさんさんと輝いている。
( brightly は is shining を修飾する修飾語 M )
<第2文型> S+V+C
第2文型は、S(主語)+ V(動詞)+ C(補語)の形です。
この文型では「 S=C 」、すなわち主語と補語には同一の関係が成り立ち、文の意味としては「 S は C である」となります。
(例)She is my sister. 彼女は私の妹です。( She=my sister )
He remained silent. 彼は黙っていた。(黙っていたのは彼なので、He=silent )
第2文型をとる動詞には、状態を表し「〜である」という意味の動詞(be動詞, keep, remain, stay など)や、状態の変化を表し「〜になる」という意味の動詞(become, get, come など)があります。
<第3文型> S+V+O
第3文型は、S(主語)+ V(動詞)+ O(目的語)の形です。
名詞や代名詞を目的語にとり、文の意味としては「 S は O を〜する」となります。
(例)We play soccer. 私たちはサッカーをします。
My mother watches TV every night. 私の母は毎晩テレビを観ます。
<第4文型> S+V+O1+O2
第4文型は、S(主語)+ V(動詞)+ O1(目的語)+ O2(目的語)の形です。
O(目的語)が2つとなるため、基本的には前がO1、後ろがO2と表記されます。
文の意味としては「 S は O1(人)に O2(もの・こと)を~する」となります。
(例)I gave her a present. 私は彼女にプレゼントをあげた。
The teacher asked me a difficult question. 先生は私に難しい質問をした。
第4文型をとる動詞の代表的なものとしては、give, lend, send, show, teach, tell, buy, call, bring, ask などがあります。
このように、「give(与える)」や「lend(貸す)」をはじめ、人に何かをすることを表す動詞の種類や数は限られていますので、一度全てチェックしてみるのも良いかもしれません。
<第5文型> S+V+O+C
第5文型は、S(主語)+ V(動詞)+ O(目的語)+ C(補語)の形です。
この文型では「 O=C 」、すなわち目的語と補語には同一の関係が成り立ち、文の意味としては「 S は O を C(の状態)にする」となります。
(例)She makes me happy. 彼女は私を幸せにしてくれる。
(幸せなのは私なので、 me=happy )
He named his dog Pochi. 彼は自分の犬にポチと名付けた。
(犬の名前がポチなので、his dog=Pochi )
第5文型をとる動詞は「〜を(ある状態に)する」という意味を表し、代表的なものとしては、make, name, leave, get, let などがあります。
まとめ
今回は英語の基本5文型について、その構成要素や構造について解説しました。
文型は英語に限らず言語の基本となる非常に重要な文法項目であり、言語の習得を目指す上では避けては通れない道の一つです。
そして、英語においては基本5文型を覚えて理解することで、リーディングとライティングはもちろん、スピーキングとリスニングでも英文の形や単語の並びを正しく伝えられたり意味を推測して理解できたりなど、全てのスキルをレベルアップさせることができます。
今回は文型の基本的な部分のみを解説していますので、より発展した内容についてもぜひ参考書を片手に、一つずつ理解できるように勉強に取り組んで頂ければと思います!