「三単現のS」
中学校の英語の授業で、先生が文法の説明を行う際に連発していたこのフレーズ。
皆さんはこれがどのようなものだったか覚えていますでしょうか?
なんとなく、動詞にSが付いたなー、と思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「さんたんげんのエス」と読むこの文法項目は、英文法の基本であると同時に、様々な英語の試験において文法問題や英作文として出題される重要項目の一つです。
そこで、この記事では三単現のSについて基本的な概要をはじめ、Sの付け方やSが付くようになった理由などについて解説します。
正確に理解することで確実に英語力アップに繋げられますので、ぜひご参考にして下さい!
三単現のSの “三単現” とは?
そもそも三単現とはどういう意味なのでしょうか?
(鋭い方はこの記事のタイトルを見てお気付きになっているかもしれませんが(笑))
三単現は「三人称」「単数」「現在」のそれぞれの頭文字を取って繋ぎ合わせた言葉で、主語が三人称の単数形で、かつ現在時制(動詞が現在形)の文のことです。
いくつか例文を挙げてみます。
I like soccer.(主語は単数で現在時制だが、I は一人称なので三単現でない)
They have a child.(主語は三人称で現在時制だが、They は複数形なので三単現でない)
He saw a movie.(主語は三人称で単数形だが、過去時制なので三単現でない)
She cooks dinner.(主語が三人称の単数形で、かつ現在時制なので三単現)
一番下の4つ目の例文のみ三単現の文となっています。
ここで注目すべきは、She cooks dinner. という文の中で “cook” という単語に “s” が付いていることです。
これがいわゆる三単現のSになります。
では、次からは実際の三単現のSの付け方を見ていきましょう。
三単現のSの付け方
三単現のSの付け方は、主語が三人称の単数形かつ現在時制の文において、動詞の原形の語尾に-sを付ける形が基本です。
しかし、動詞の種類によっては必ずしも全てが-sの形を取るわけではなく、中には不規則な形を取る動詞もあります。
下記にそれぞれのパターンを示しますので、一つずつ整理して覚えて頂ければと思います。
① -s を付けるパターン
最も一般的な形で、動詞の原形の語尾に「-s」を付けます。
大半の動詞がこの形を取るため、次の②以降でご紹介する不規則な形を取る動詞以外の動詞については全て -s を付けるという認識で全く問題ありません。
(例)play→plays read→reads eat→eats
② -es を付けるパターン
語尾が「s」「ss」「sh」「ch」「o」「x」で終わる動詞には、その語尾に「-es」を付けます。
(例)focus→focuses pass→passes push→pushes
catch→catches go→goes mix→mixes
また、「子音字+y」で終わる動詞には、「y」を「i」に変えて「-es」を付けます。
(例)cry→cries apply→applies study→studies
③「has」のパターン
動詞が「have」の場合、三単現の形としては「has」になります。
このパターンは①や②と比べて非常に特殊で不規則な変化の形となりますが、不規則な変化をするのはこの「has」のみであるためしっかり押さえておきましょう。
なぜSを付けるのか?
さて、ここまで解説してきた三単現のSですが、そもそもなぜ付ける必要があるのでしょうか?
結論から言うと、その理由は古い英語の名残になります。
英語以外の外国語、例えばドイツ語やイタリア語などは主語の種類によって動詞の語尾が変化しますよね。
英語に関しても、昔に使われていた英語は動詞の変化・活用が非常に多いのが特徴でした。
それが現代に至るまでの長い歴史の間で次第に簡略化され、その結果としてたまたま残った動詞の変化・活用の一つが三単現のSであったということです。
このように歴史を感じながら言語を学ぶというのも、語学の楽しみの一つでもありますよね。
まとめ
今回は三単現のSについて解説しました。
この記事の冒頭にも書いた通り、三単現のSは様々な英語の試験において文法問題や英作文として出題されます。
押さえておくのがある意味では当然の文法項目であるため、英作文の問題でSを付け忘れるなどをしてしまえば、それだけで減点の対象となってしまうことも考えられます。
そうならないためにも、三単現のSの付け方のパターンを整理して確実に覚えることが大切になります。
加えて、ライティングはもちろんスピーキングを含めたアウトプットの分野においても、三単現のSを意識して使うことができるようになれば自分の英語レベルが上がっていることを実感できると思いますので、ぜひこの機会にしっかりと身に付けて下さいね!