英語のオーバーラッピングの方法や効果は?シャドーイングとの違い解説!

スポンサーリンク

皆さんはこれまで英語を勉強してきた中で大きな壁に直面したことはありますか?

英語にはリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4つの分野がありますが、人によって得意不得意の分野の違いはある中で、それぞれ自分なりの壁に直面することがあるかと思います。

かくいう私も大きな壁に直面した経験があり、私の場合はそれはリスニングとスピーキングでした。

リスニングとスピーキングには相関関係があります。

まずリスニングを鍛えることで英語の発音やリズム、イントネーションに慣れることができ、スピーキングにおいてそれらを意識することでよりナチュラルに英語を話すことができるようになります。

そこでこの記事では、リスニングとスピーキングを改善したい、英語で流暢にコミュニケーションを取れるようになりたいという方のために、おすすめの勉強法であるオーバーラッピングについて解説をします。

【関連記事】英語のシャドーインのやり方やコツ、効果の解説とおすすめの教材を紹介!

スポンサーリンク

日本人はリスニングとスピーキングが苦手?

オーバーラッピングの前に、まず日本の英語教育について簡単に解説をします。

上述の通り私自身はリスニングとスピーキングの壁に直面したのですが、私と同じように中学校と高校の6年間も英語を勉強したにもかかわらずリスニングとスピーキングが苦手だと感じている方も非常に多いのではないかと思います。

その理由の一つは、日本の英語教育は近年になってようやくコミュニケーションとしての英語力が重視されるようになってきたものの、基本的にはリーディングとライティングが中心の教育であるためです。

学校の英語の授業では、先生が文法説明と和訳を繰り返し行い、生徒はひたすらそれを聞いてはノートに書き留めるという展開が日本では典型的です。

そうした授業では生徒が実際に英語を用いて「話す」「聞く」というコミュニケーションの時間が少なくなり、リスニングとスピーキングのスキルを上げることが難しくなります。

その結果として日本人はリスニングとスピーキングに対して自然と苦手意識を持ってしまい、英語でのコミュニケーションを避けるという悪循環に陥ってしまっているのです。

日本の英語教育については以下の関連記事をぜひご参考にして下さい。

【関連記事】日本の英語教育の問題点とは?小学校必修化やイマージョン教育で変化は?

オーバーラッピングとは?

オーバーラッピング(overlappinng)とは、英語の音声を聞くと同時にその聞こえてきた音声に自身の声を重ねるように英語を発声する勉強法のことです。

英語の音声に自分の声を重ねることからオーバーラッピングと呼ばれており、リスニングとスピーキングのスキルを同時に鍛えることができます。

準備するもの

オーバーラッピングを行う上で事前に準備するものは以下の3つになります。

1.英語のスクリプト
2.スクリプトに対応する音声教材
3.音声を流すための機器

例えば、スマートフォンやタブレット、あるいはパソコンが1台あれば、それでスクリプトを見ながら音声も流して聞くことができます。

このように、気軽に取り組むことができるというのもオーバーラッピングのメリットの1つです。

オーバーラッピングの方法

オーバーラッピングを行う際は、スクリプトの英文を目で追いながら英語の音声を聞き、それと同時に聞こえてきた音声と同じ発音・リズム・イントネーションでその音声に重ねるように英語を発します。

つまり、「英語を読む」「英語を聞く」「英語を話す」の3つの動作をほぼ同時に行うことになります。

そう考えると難しいように感じられますが、英文を見ながら音声を聞くことは英文を見ない場合と比べると難易度はかなり下がるため、これからリスニングとスピーキングを鍛えていくという初級者にとっては取り組みやすい勉強法であると言えます。

また、オーバーラッピングでは英語のスクリプトは全文を通して行うのが最も理想的です。

これは日本語でもそうであるように文章は文と文のつながりであるため、文脈や内容によって強弱をつける場所が違ったりスピードが変わったりします。

そういう意味では一文ずつオーバーラッピングを行うのと比べると、全文を通して行う方がより自然な英語を身に付けられます。

ただし、オーバーラッピング初級者にとってはいきなり全文を通して行うのは難しく感じられるかもしれません。

そうした場合はまず一文ずつ音声を止めながらオーバーラッピングを行い、少しずつレベルを上げていきながら最終的には全文を通して行えるように取り組んでいって下さい!

オーバーラッピングのポイント

オーバーラッピングを行う際に最も意識すべきポイントは、英語の音声をしっかりと聞いて、それを自分なりに真似をしながら発声することです。

私たち日本人にとって英語のリスニングとスピーキングを難しくさせるのは、英語のリズムやイントネーション、音の連結(リンキング)、抑揚や強弱のつけ方などといった英語特有の発音・発声です。

これらの日本語と英語の違いを意識して音声を聞くこと、そしてそれを真似してまるで自分がネイティブスピーカーであるかのように発声することでオーバーラッピングに慣れることができ、英語力も着実に向上させることができます。

また、オーバーラッピングをしている自分の声を録音し、発音の確認をすることも大切です。

自分の発音で間違っていたり詰まっていたりするところ、あるいは音声から遅れたり外れたりしているところを確認し、その箇所を意識して次回からオーバーラッピングを行うことで少しずつ改善することができます。

オーバーラッピングと録音を繰り返して行うという地道な作業にはなりますが、継続的に行うことが上達への近道になります。

シャドーイングとの違い

オーバーラッピングと同じく、英語のリスニングとスピーキングの勉強法として有名なものにシャドーイングがあります。

シャドーイングも英語の音声を聞いて自らも発声するという点ではオーバーラッピングと同じですが、これらには大きく分けて2つの違いがあります。

1つ目の違いは、スクリプトを見ながら行うかそうでないかです。

オーバーラッピングではスクリプトの英文を目で追いながら英語の音声を聞きますが、シャドーイングではスクリプトは見ずに音声を聞きます。

つまり、シャドーイングでは実際に音声を聞くまでは音声からどのような英語が流れてくるかが分からないため、聞き取りの難易度としてはかなり高くなります。

シャドーイングではスクリプトを見てどのような英文が音声から流れてくるかを分かりながら行うオーバーラッピングと比べると難易度は格段に上がります。

2つ目の違いは、発声するタイミングの違いです。

オーバーラッピングでは英語の音声を聞くと同時にその聞こえてきた音声に自身の声を重ねるように英語を発声するのに対して、シャドーイングでは英語の音声を聞いてその音声から少し遅れて追いかけるように英語を発声します。

それほど違いはないように思われるかもしれませんが、この少しのタイミングの違いによって難易度は大きく変わります。

なぜなら、英語の音声を追いかけて自分も発声する形であるシャドーイングは、英語の音声と自分の声とが重なり合って聞こえることになるからです。

その結果、英語の音声を聞き取るのが難しくなり、聞き取れなかった箇所は当然発声することも難しくなるということになります。

以上のことからみても、シャドーイングの難易度はオーバーラッピングと比べて高くなるため、初級者はオーバーラッピング、上級者はシャドーイングと自分のレベルに合った勉強法を選んで頂ければと思います。

まとめ

今回の記事では、リスニングとスピーキングのおすすめの勉強法であるオーバーラッピングについて解説をしました。

オーバーラッピングを通じてスクリプトを見ながら音声を聞くことは、スクリプトの英文が実際に音声ではどのように読み上げられているのかを自分の中で比較し、理解することに繋がります。

一つひとつの単語の発音やイントネーション、リズムなどが明確に分かるため、英語の勉強を始めたばかりの方にとっても非常に取り組みやすいトレーニングです。

オーバーラッピングを通じてリスニングとスピーキングの両方をスキルアップさせ、自信を持って英語でコミュニケーションが取れるようになるためにもしっかりと取り組んでいきましょう!

タイトルとURLをコピーしました