英検とは?正式名称や一次・二次試験の内容、申込から合否確認まで解説!

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皆さんは英語検定(英検)を受験したことはありますか?

私自身は学生時代、通っていた中学校と高校で毎年のように団体受験の機会があり、定期的に英検を受験していました。

受験結果が届いた日にはクラスメートとお互いに結果を見せ合ったりしましたが、クラスメートが合格で自分が不合格だった時に最悪な気分になったことを今でも覚えています(笑)

そんな英検ですが、英語力を示す一つの指標としては日本有数の重要な検定試験です。

この記事では、英検とはどのような検定試験であるかを、試験内容や試験形式などの基本的な概要に加えて、申し込み方法から合否結果の確認方法まで全般的に解説します。


この記事の内容は、2023年3月現在のものです。

最新の英検の情報については、「公益財団法人 日本英語検定協会」のウェブサイト(https://www.eiken.or.jp/eiken/)をご参照下さい。


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英検とは?

英検は、正式名称を「実用英語技能検定」といい、公益財団法人 日本英語検定協会が運営を行う国内最大規模の英語の検定試験です。

日本英語検定協会は、文部科学省の後援のもと、1963年に実用英語の普及・向上を目的として創設されました。

英検は現在、日本においてはTOEICと並んで最も知名度の高い英語の検定試験であり、文部科学省後援の民間資格として社会的に広く認知されています。

英検の検定試験自体は年3回行われており、2021年度の受験者数は410万人を超えています。(受験の状況|英検|公益財団法人 日本英語協会:https://www.eiken.or.jp/eiken/merit/situation/

受験者は学生が大半を占めることで知られている英検ですが、2021年度は受験者の約85%にあたる350万人が小学生から高校生の学生でした。

英検を受験することはシンプルに英語の勉強になるだけでなく、大学入試の推薦入試に利用できたり海外留学の優遇措置を受けられたりなどのメリットもあります。

これらのメリットが受験者の大半である学生に英検が支持されている最大の理由であると言っても過言ではありません。

受験可能な級とレベルについて

英検で受験可能な球としては、中学初級程度の5級から始まり、4級、3級、準2級、2級、準1級、そして大学上級程度の1級まで、全部で7つのレベルに分かれています。

レベルの目安ですが、文部科学省が2018年度に発表した「英語教育実施状況調査」によると、英検3級レベル相当以上の英語力を有している中学生は23.9%、英検準2級レベル相当以上の英語力を有している高校生は20.5%となっています。

また、一般的なTOEICスコアとの比較では、英検準2級で250点、2級で550点、準1級で800点、1級で950点と言われています。

このTOEICスコアの上がり幅からも見て取れるように、英検は特に2級から準1級、そして準1級から1級にかけてはレベルが一段と上がるため、特にこれらの級を実際に受験をする場合は相応の対策が必要です。

ちなみに、英検では自分が受験したい級を自由に選択して受験することができ、例えば3級に合格していなくても2級に合格する自信があれば受験して構いませんし、極論を言えば一度も英検を受験したことがない方でもいきなり1級を受験することも可能です。

そういう意味では、自分の目標とする級だけに焦点を当て、傾向と対策を明確にして勉強に取り組むことができるため、勉強に対する充実感や達成感が大きく得られることも英検の特徴の1つと言えるかもしれません。

試験内容と試験形式について

試験内容と試験形式についてですが、まず英検は5級と4級では一次試験のみ、3級〜1級では一次試験とそれに合格した場合には二次試験を受験します。(3級〜1級については二次試験にも合格して初めてその級に合格したことになります。)

一次試験は筆記試験となっており、試験問題の構成は5級と4級ではリーディングとリスニング、3級〜1級ではリーディング、リスニング、そしてライティングが出題されます。

一方、二次試験は個人面接試験となっており、英文の音読や質疑応答など面接委員との受け答えがメインのスピーキングテストになります。

特に二次試験は実践形式であるため事前に対策を立てるのが難しいという側面がありますが、学校の先生をはじめとした身近な方に面接委員役をして頂いて模擬の面接試験を実施するなど、実際の試験を想定したトレーニングを積んでおくことが大切です。

英検では級によって試験内容・試験形式が異なりますが、級が上がるにつれて試験問題自体が難しくなるだけでなく、問題数が増えたり試験時間が長くなったりなど、検定試験としての難易度が上がるという特徴があります。

全ての級の試験について一つずつご紹介したいところではありますが、記事の長さの関係上それは難しいため、詳しくは日本英語検定協会のウェブサイトの「試験内容・過去問」ページ(https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/)をご参照頂ければと思います。

そうは言うものの一例はご紹介したいということで、ここでは高校卒業程度の「2級」について、一次試験と二次試験の内容及び形式についてご紹介します。

英検の試験とはどのようなものなのか、そのイメージを持つためのご参考にして下さい。

一次試験について(例:2級の場合)

一次試験は筆記試験になります。

2級の試験では、リーディング、ライティング、リスニングの3つのセクションがあり、試験時間はリーディングとライティングが合わせて85分、リスニングが25分の合計110分です。

まず1つ目のリーディングについて、このセクションでは大きく「短文の語句 空所補充」「長文の語句 空所補充」「長文の内容 一致選択」の3つの問題に分けられます。

「短文の語句 空所補充(20問)」と「長文の語句 空所補充(6問)」はそれぞれ短文・長文の中に空所があり、その文脈に合う適切な語句を選択します。

「長文の内容 一致選択(12問)」は電子メールの本文などのパッセージを読み、その内容に関する質問に対して正しいものを選択します。

これらリーディングの問題は全て4つの選択肢の中から答えを1つ選択して解答するマークシート方式なので、このセクションでいかに得点を稼ぐことができるかが重要です。

2つ目のライティングは、問題は1問のみで、指定されたトピックについて英作文を書く記述式となっています。

自分の意見とその理由が明確かつ論理的に示されているか、英文の構成ができていて流れが自然であるか、適切な語句が正しい文法で使われているか、などといった観点で採点がなされます。

文法や語彙の知識を持っておくことはもちろんのこと、こういった採点のポイントを意識してライティングを行うことが得点へのカギになります。

最後の3つ目のリスニングですが、このセクションは「会話の内容 一致選択(15問)」と「文の内容 一致選択(15問)」の2つの問題があります。

リーディングと同じくこのリスニングのセクションもマークシート方式で、音声で流れてくる会話文や説明文を聞き、その内容に関する質問の答えを4つの選択肢の中から1つ選択します。

注意すべきこととしては、音声が流れるのは1回のみであるという点です。

一言一句全てを聞き取るのは難しいですが、1回の音声の中でキーとなる単語やフレーズを聞き取り、内容を理解することが重要になってきます。

以上が一次試験の主な内容になります。

2級の一次試験の合格ラインは65%とされていますが、意外とこの数字が示す以上に難しい試験でもあるため、傾向と対策をしっかりと行い、準備万端の状態で挑むようにしましょう。

ちなみに、一次試験に合格したものの残念ながら二次試験で不合格となってしまった場合は、一次試験に合格してから1年間は一次試験が免除されて二次試験から受験することができます。

そういう意味でも、一次試験にまず合格することには大きな意義があると言えます。

二次試験について(例:2級の場合)

一次試験に合格すると、次は二次試験です。

二次試験は個人面接試験(受験者と面接委員の1対1の面接)で、試験時間は約7分です。

試験問題は全5問で、「音読(1問)」「パッセージについての質問(1問)」「イラストについての質問(1問)」「受験者自身の意見(2問)」となっています。

試験の始まり方としては、まず受験者が面接室に入室すると、面接委員から氏名や受験級等の確認があります。(もうこの時点から英語でのやり取りが始まりますが、あくまでここは確認の場面で採点対象ではありませんので、慌てずに落ち着いて受け答えをするようにしましょう。)

簡単な挨拶を交わしたのち、面接委員からパッセージ(文章)と3コマのイラストが印刷された「問題カード」が手渡され、そこから試験が始まります。

「音読」と「パッセージについての質問」では、まず「問題カード」に書かれた60語程度のパッセージを20秒間で黙読します。

その後、そのパッセージを音読し、続けてパッセージの内容についての4つの質問に回答します。

試験の中の最初なので緊張感はあると思いますが、落ち着いて自然な音読をすることと、しっかりと質問を聞き取って丁寧に答えることを意識することが大切です。

「イラストについての質問」は、3コマのイラストの展開を説明するという問題になります。

まず、問題カードに描かれたイラストを確認する時間として20秒間が与えられ、その間に説明する内容を考えます。

ここでのポイントは、説明の言い始めが指定されているという点です。

問題カードには言い始めの一文が記載されており、その一文で説明を始めなければなりません。

イラストの確認とあわせてこの一文も確認し、20秒間の間に説明の流れや構成を頭の中である程度決めて、整理することが必要となります。

最後の「受験者自身の意見」では、ある事象や日常生活の一般的な事柄に関して、自分の意見などを述べることが求められます。

過去の出題例としては、環境や新しいエネルギー、ペット産業、オンライン会議など、社会性のあるトピックが多くなっています。

英語はもちろんのこと、普段から一般社会のニュースや情報に幅広く触れ、知識や自分の考えを持っておくことがここで得点を取ることのカギと言っても過言ではありません。

以上が二次試験の主な内容になります。

評価の基準は、応答内容や発音、語彙、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度などで、合格ラインは得点にして約70%と言われています。

そして、二次試験の合否の分かれ目はやはり事前準備にあります。

英語での面接試験はなかなか経験することのないものであり、事前準備がなくいきなり試験に挑むと、どうしても緊張や不慣れ、戸惑いなどから上手く対応できない可能性があります。

上述したように、模擬面接試験によるシミュレーションを行なっておくことで心に余裕が生まれて試験本番でも自身の力を発揮することができるはずですので、ぜひ身近の人に手伝って頂くなどして十分な準備の上で試験に挑んで頂ければと思います。

合否結果の確認

英検の合否結果の確認方法としては、一次試験・二次試験ともに郵送による通知、もしくはウェブサイト上での確認の2通りがあります。

郵送による通知では、受験者全員に対して試験日から約3週間後に日本英語検定協会より合否通知が届きます。

試験結果となる成績表とともに、合格した場合には合格証書もあわせて届くので大切に保管して下さい。

また、ウェブサイト上での確認では、日本英語検定協会のインターネット上のサービスである「英ナビ!」にて合否結果を閲覧することができます。

「英ナビ!」の利用には会員登録が必要となりますが、試験日から約2週間後に合否結果を確認することができる(郵送による通知よりも約1週間早い)ため、少しでも早く合否結果が知りたいという方にはおすすめです。

ちなみに、一次試験の試験日翌日には、日本英語検定協会のウェブサイト上に「解答速報」が公開されます。

一次試験の試験中に問題用紙に自分の解答を書き留めておけば、翌日には「解答速報」をもとに自己採点を行うことで合否結果を自分の中で確認することも可能ですので、余裕がある方はこの方法も検討して頂ければと思います。

まとめ

今回の記事では、英検の概要、試験内容と試験形式、合否結果の確認方法について解説しました。

英検は受験者の多くが学生であるように、学生にとっては今後の進路にも生かせるような重要な試験であると言えます。

一方で、社会人の方、特に英語の勉強に取り組んでいる方にとっては自身の実力を試すには英検は最適の試験ですし、社会人になってから試験を受けるということ自体も新鮮な気持ちになるのでおすすめです。

英検は筆記試験だけではなく面接試験もあるという点では他の試験とは一線を隠しており、特別な緊張感がありますが、その分だけ合格した時の喜びも大きくなると思います。

その喜びを感じるためにも、ぜひ受験をして合格できるように取り組んで頂ければと思います!

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